王女メリサ/atsuchan69
い上がると一転ひるがえって降下し羽をすっかりのばして雲の晴れた夜空をじつに悠々と飛行しました。
月に照らされた夜の空をしずかに旋回して飛ぶフクロウには森がうごめいているのが見えます。
耳には木々の葉が「こそこそ」「さやさや」話(はなし)するのが聞えます。
「こそこそこそ」
「さやさやさや」
「・・・・魔女がくるよ」
「ほうきに乗ってかい?」
「いや魔法の馬車にのっている」
「誰から聞いたんだい?」
「隣の葉っぱからさ」
曲がりくねった森の中の一本道を二頭の緑色の馬に引かれた馬車がすさまじい速さでこちらへやって来るのを「こそこそこそ」「さやさやさや」葉っぱたちがヒソヒソ話す
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