空の巣/水町綜助
所まで歩いていったのだった・・・・・・・・・・・・
からだが何かに、もの凄い力で引っ張られた。
冷たくて堅いものに投げつけられる激痛。
目を開けると、車のボンネットに、オレンジと黒で出来た縞模様のコンクリート塊が突き刺さっている。
中央分離帯のブロックだろうか。
運転席を見た。
運転手がもうろうとした面持で、シートにもたれ掛かっている。フロントウィンドウに蜘蛛の巣状に亀裂が入っている。目に何か暖かいものが流れ込んでくるのを僕は感じた。
ひどくしみる。
血だろうか。
もう目を開けていられない。
閉じかけられた瞼の隙間から、僕の横の窓が氷のように割れているのが見えた。
からだ
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