恋文/青の詩人
 
のみを見て 君のまわりをまわるように
君もあのお方のみを見て そのまわりをまわっていらっしゃることを
君が愛する人は
私ではなく 
情熱の火のごとく燃えたもうあのお方なのでしょう
母のごとき暖かな光を放ちたもうあのお方なのでしょう
夜にあなたにお会い申しあげる私ではなく
朝にあなたを暖めにいらっしゃるあのお方なのでしょう


私が恋をしたのは 
あのお方を愛する君だったのでしょうか
君があのお方を愛さなければ 
君に恋していなかったのでしょうか
あのお方がいらっしゃらなければ 私たちのみならず多くの上下の者が
この世で生きてゆくことができないのですから
あの赤きお方
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