@ノ”「えいえんをめぐる短詩集」/ダーザイン
々を映し出すのを忘れたようです
えいえんなんてなかった
約束の地図
琴似2条通りで地下鉄を降り
大交差点に立つたこ焼き屋台の明るみから出ると
地吹雪の流れていく夜の果てに
どこかで見たような人影がひとつ
いまだに立ちすくんでいたので
俺は銀の紙に記された約束の地図をくしゃくしゃに丸めて
山犬のようにうなる風の中にほうってやった
えいえんなんて なかった
一過性の歳月
久しぶりの雨が世界を洗ったあと
巨大な死の翼を広げた鉄の鳥が
上空をよぎった
銀屋根には真紅のビーコン
夜の女王の指輪が煌く
えいえんという名の
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