稲妻/南 翔
 


佳麗なる電閃 

鋭き剣は 大地を幾度となく突き刺し 

地上の罪は 逃れる術を失って 

焼き焦がれている

(罪 其の真の意義は 解けがたい) 


其れらは さながら幻夢か 怪奇か 

あるいはまた 何かの前兆を示唆するのか?


が まさしく 興味が尽きない四次元の模様

其れは 切々と胸に逼り 

其の 冷徹なものに 

其の 尊きものに

心の臓はおののく 震える 

小指の毛細管もが 余すところなく

戦慄いでいる




あゝ 然れど 

然りとて 茨の華の匂いに迷いて  

切なくて 悲しくて 愛おし
[次のページ]
戻る   Point(9)