稲妻/南 翔
佳麗なる電閃
鋭き剣は 大地を幾度となく突き刺し
地上の罪は 逃れる術を失って
焼き焦がれている
(罪 其の真の意義は 解けがたい)
其れらは さながら幻夢か 怪奇か
あるいはまた 何かの前兆を示唆するのか?
が まさしく 興味が尽きない四次元の模様
其れは 切々と胸に逼り
其の 冷徹なものに
其の 尊きものに
心の臓はおののく 震える
小指の毛細管もが 余すところなく
戦慄いでいる
あゝ 然れど
然りとて 茨の華の匂いに迷いて
切なくて 悲しくて 愛おし
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