Orkan Warnung/英水
進められていく足の下では、吹きさらされた鉄の表面が輝きを増し続ける。
君の不在中に来たカフェの外では、暴風注意報が発令されていた。タバコの匂いがやけに鼻についた。風が強い。何故か、落ち着かない気分に襲われる。風は適度な灰を含み、不自然な匂いを撒き散らす。そうだった、今は午後だった。太陽は燃焼しつづけ、落下し続けているのだった。風が吹きすさび、進路を変える人々を覆いつくす、全てが一掃されてしまう予感。
今日見つけた何もかもは一体何だったのだろうと、言葉の端を、震えている鉄の尾に結びつけ、ひとしきり振り回してみる。髪に隠れた繊維質へと、深く降り積もるように。
君と居るときに話す会話(
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