無為自然、苦しみて、苦しむことなく。/生田 稔
ったことから、わたしの新しい人生が始まる。
内海福子さんと言った。最初に私の家を訪ねてくれて、聖書の手ほどきをしてくれたのは。大塚さんと言う人、この人も熱心そうなクリスチャンであった。その方と一緒に、再訪問といって、出版物、当時二百円であったが、「これは永遠の生命を意味する」という200頁の本を求めると、また訪れてきて、聖書の家庭研究をしてくれるというのだ。
ふたっ返事で私は聖書研究に応じた。その日の、その頃のわたしは悩む人、苦しむ人であった。まず女性というものが私にとって厭な存在であった。自分の存在全体が相手に伝わっている。相手は私の心やすべてを知っていると思うと向かい合うのさえ厭
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