「月の亡骸」/なかがわひろか
うな、そんな美はとうの昔に消えうせてしまいました。」
太陽:「そんなことは関係ない!私は・・・」
月 :「私は貴方の理想の中での私でいたいのです。私は終えてしまいました。そして貴方の中で永遠に美しく生きていたいのです。」
太陽:「なんと・・・」
月 :「貴方はやがて、新しく光を受け止めてくださる方を見つけるでしょう。」
太陽:「貴女ほど愛するものなどいない。」
月 :「いいえ。違うのです。私は、貴方にいずれ愛されるであろうものに、私を重ねてくれたら、と思うのです。」
太陽:「別のものに、貴女を重ねる・・・」
月 :「そうです。そしてその方を私と思って・・・愛してくだ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)