Nobember Tales./芳賀梨花子
無駄なこと
魔法を使えないダンティエンヌ
鏡に映っているのは誰ですか
「射抜かれた林檎の相対性理論」
死ぬということも
生きるということも
旅をしているということだろう
貴方とともに
「死骸のように疲れ果てるまで
探求するということについて」
感じることのできる器官をすべて使い
まるで死骸のようになるまで
お互いのなにかを探り求める夜の
明けていくさまを愛というのなら
確かにここに愛が存在するのでしょう
落葉樹の森の腐葉土を貴方がめくり
露になる私という女の不幸を
ひとつひとつ打ち消していく夜が
ああと声を上げることの素晴
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