小説の習作 原稿用紙三頁/田中教平
ユウスケは眼鏡を捜した。見あたらないのである。
最近、彼は急に老け込んだ。自身、一年が十年のようだ、と感じた。ああいった生き方もできる、こういった生き方もできる、そういう思考がユウスケからトント、失われていた。
日曜なので朝湯に浸かった。彼の脚は全く固まってしまっていたが、湯に浸かるとやっと動くようになった。そうして風呂を出て、寝室で横になったり、リビングに向かったり書斎に向かったりしている内に、ああ、眼鏡は何処に置いたっけ?、と考えた。
妻のカナ、彼女は一人、ドラッグストア、マツモトキヨシに向かって歩いていった。
はじめ、ユウスケも一緒に向かう筈であった。実際、彼は妻といっし
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