小説の習作 原稿用紙三頁 #12/田中教平
時は夕刻だった。
ユウスケは自分の書いた私小説を妻のカナに読んで貰う事にした。何度か頼んだが、なかなか聞き入れられなかった。彼女は大学の出で、確か文学部卒だったような気がした。わからなかった。歴史分野だったような気がする。ともかく、ユウスケは自分の書いた物に意見を貰いたかった。ユウスケは音楽に於ける文化教養資格士であった。そんなこの地方で役に立たない資格も無かった。この地方にはメディア自体限られていたから。それでも狭い世間でひとに何を言われているか知れぬ。そこの家ではこんな昼間から旦那さんがプラプラ、畑仕事なんかして。ユウスケは朝、夕を小説の時間に宛てた。三頁は書こうと思っていた。インターネ
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