鰓/あらい
紫陽花のかたわらで
ハコニワのようにおきてしまう。
灯台はまだ点っていない
午睡の窪み。ぼうっと燃えている。燃えながら、
消灯された都市模型が。ひとつも やけない
そこではなく、そこではなく、と語るより早く
沈黙より濃く、指先でつつくと あの奥
さらに その奥、しわざのように なおさら
笑ってる垂直に吐きだされるくしゃみが
ちり、って湿地でラッパを吹く
雨が降りますようにではなくて雨が死にますように
ときどき粘りつく貼りつけてくる喉元に
くゎり、くゎり、過する。それが、最後の交信だった
にもかかわらずにもかかわらず私は存在しないが
存在しなさもまたこんな
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