しりとり詩Version2.0/佐々宝砂
種まきした朝
浅い海に干上がる
ガルシンの赤い花はどこに?
小憎らしいエビが
美がなんとかと解説する
スルメになっちまえ
前から後ろから
身体はがんじがらめ
ラメ散りばめて
馬手(めて)に拳銃 弓手(ゆんで)にナイフ
If I wish
修羅しゅしゅしゅ
主体という幻想よ
うようよ蠢く
めくるめく幻から
からい現実を抽出せよ
瀬よ 冷たい背中
泣かずとも夜は来る
くるくると日は昇り落ち
遠近(おちこち)のひとびとは
永久に目覚めを知らぬ
ら抜きで喋れ
ベレー帽を脱げ
ぬけぬけと走れ
痴れものたち
たちの悪い黒雲
曇りのないガラスは割れ
われ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)