最愛の孤独の中で/由比良 倖
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僕の部屋には郵便受けがない。でも架空の郵便受けに今日も神さまからの加速度が届けられるみたいなんだ。
本棚は花畑のよう。そこに今日も日が差している。
360、それはまるで弟の首のようだ。
本棚から水の流れる音がした。見てみるとブローティガンの本が並んでいるのだった。
冷蔵庫は真夜中の色をしていた。ドアを開けると夜に光が漏れだした。
星空が光っていた。レディオヘッドのヘイル・トゥ・ザ・シーフみたいな星空だった。
壁は太古の平原に繋がっている。戦いの記憶、そしてその向こうの石壁に。
BOSEのステレオはまるで青いガイストの渦巻く墓場のよう。
glas
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