2007 02/10 21:36
佐々宝砂
白糸雅樹ちゃんとデパ地下のようなところにいて、オレンジ色のコーンアイスを買った。前にもこんなことしたような気がするなあ、と考えて、ふと夢だと気づいた。
>>678という夢を前に見たことを思い出した。それで雅樹ちゃんに、「これ私の夢だよ!」と言ったところ「じゃあどっかに行こうよ」というのでデパ地下から電車に乗った。地上に出ると穏やかな田園風景で、綺麗な川が流れている。川のところどころに架かっている橋がいちいち面白いオブジェだ。気分よく走っているうちに、夢なんだから飛んでもいいじゃんと気づき、窓から顔を出して飛ぼうとしたら電車ごとふわーと浮き上がった。自分の意志の通りに電車が動く。これは実に気分がいい。しかしだんだんコントロールがきかなくなり、田園風景も殺風景な工場だらけの風景に変化してきた。見渡す限り巨大なコンビナートの群れ。うーん、あんまり気持ちよくなくなってきたな、と思っているうちに飛べなくなって落ちた。雅樹ちゃんはどうしただろうと電車を覗くと(私はいつのまにか放り出されていた)、電車のなかから女の子が15人くらいでてきた。一人も知ってるのがいない。でもなんだかわからないが私はこの女の子たちを引率してかなきゃいけないらしい。なんでこういうことになったのかよくわからないが、まだこれが自分の夢だということを忘れてはいなかったから、なんとかなるだろうと思った。「この電車はもうだめだから別な乗り物を出すよ!」と根拠もなく断言し、電車を消した。「どこに新しい乗り物があるの?」と訊かれた。よくわかんなかったが屋上にある気がしたので、手近な工場らしき建物を指さし「あの屋上にあるよ」と言い、みんなで中に入った。狭い螺旋階段があり、登ってゆくうちにさらにどんどん狭くなり、最後には鉄梯子になり、登りにくいなあと思っていたら、いつのまにか私の前に人がいた。あまり頼りになりそうにない感じの小柄な男である。誰だかわからんが知り合いのような気がした。そのまま登り続けた。屋上に出ると夜だった。というか夜なのかよくわからない。青黒い空に星が出ている。見たこともない星空だ。星雲のようなオーロラのようなものが光っている。よく見るとつぶつぶしてるからやっぱり星なのだと思う。見ていると星が流れた。流れ星という単語が思い出せず、「願い星だよ」と言った。「どこに乗り物があるの?」とまた訊かれた。「待っていればくるよ」と言ってすぐ、地平線の一部が赤く染まった。毒々しく真っ赤な、太陽より大きい妙なものが昇ってくる。世界の終わりのような気がするくらい不気味だ。女の子たちは怖がって泣き出した。その赤いものは天頂で巨大なガス状の鳥に姿を変えた。あれが私の乗り物だと直感した。おいで、と叫んだが消えてしまった。でも呼べばまだ来ると思ったからもういちど呼んだ。すると白い飛行船のようなものが飛んできて、屋上に降りた。これなら乗れる、ってんでみんなで乗り込んだが、いやに狭い。狭すぎる。例の誰だかわからない男が操縦士になって飛び上がった。ところが、気づくと私とそいつしかいない。「急ぎすぎだよ他の女の子置いてきちゃったじゃない」と文句を言ってそいつを見たら、私の夫だった。とにかく戻りましょうということで屋上に戻った。白い飛行船のようなものは消して、また空に向かって呼んでみた(ベントラーとは言わなかった。おいで、と言っただけである)。するとおもちゃみたいな、というか、1920年代のクーペみたいな黒い車が降りてきた。いくらなんでも小さ過ぎる。これじゃだめだってんでまた消した。次に降りてきたのはばかでかいホーロー鍋みたいなものだった。乗り物ではない。これもだめってんで消した。しかしその次に降りてきたのは一応乗り物で、白い観覧船のようなものだった。これなら乗れる。みんなで乗り込むと、中も観覧船のようになっていた。私の夫はすでに乗り込んでおり、イチゴスティック230円という謎の食べ物を食べながら煙草を吸っていた(現実のわが夫は甘いモノを好まず、煙草も吸わない)。夫ではない誰だかわからんやつが操縦席にいた。さあこれから旅立つぞー、と力んだところで目が醒めた。
最後まで夢だということを認識できていたのだが、なかなか思い通りにならなかった。