【期間限定〜9月15日】25歳以上の人の『夏休み読書感想文』(原稿用紙3枚)[28]
2010 09/15 21:03
ふるる

E.E.カミングズ詩集『カミングズの詩を遊ぶ』ヤリタミサコ 向山守 編・訳

読みました。反戦詩から桃色っぽいのまで、知らないカミングズの詩や散文が沢山読めてよかったです。
左に英語、右に訳が載っていて、読みやすい。一つの詩ごとに「引っかかってみよう」という項目があり、カミングズ特有の表記の仕方、笑えたりうならされたりする仕掛け、解釈などがヒントとしてあたえられて、読者はそれをたよりに、より深く、より楽しく、カミングズの詩を読めるという構成です。
論考には、2つの詩の詳細な「楽しみ方」と、カミングズがよく使う「i」(ちいさな私みたいな意味)の使い方についてがあります。あと、カミングズは自分の詩を「詩絵(poempictures)」と呼んでいて、それは漢字やピクトグラムに通じるものがある、とか。他にカミングズの経歴なんかもあって、彼はどうやらずーーーっと親からの仕送りで仕事もせずに絵を描いたり詩を書いたりという、中原中也みたいなうらやましい生活をしていたんだと知りました。しかも、もてた。まあでも、「貴族の中から遊びは生まれる」っていうくらいだから、遊んでないと、詩や、単語で遊んでみようなんて発想は生まれないんでしょう。遊びと言えば、どうして勉強をするのか、という問いの答えで「遊ぶため」というのがあったなあと思い出しました。中高校生くらいの英語ができれば、カミングズの詩は面白く読めます。勉強しといてよかった。でも遊びも大事。
そんなことを思いました。
この本に入っている詩の中で好きなフレーズをひとつ。

i'll live my life if
it kills
me

(I'm very found ofより)
大意:俺は俺の人生を生きるたとえそれが俺を殺しても。
アイ・マイ・ミーの間に沢山のi(小さなわたし)。
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