酒処 越後屋[223]
08/07 23:47
汰介

感銘、と言うのが最も難しいのだ。

特に、「実は知らない内に感銘を与えられていたのにも関わらず、それが感銘を与えていたのとは露知らずに意識の内で忘れてしまっている事」を意識しだすと、もう手がつけられなくなる。

何故なら、例えば、そういった詩を書いた本人は、特にそんな事意識していないかも知れず(むしろそう言うことの方が多いのではないか?)勝手にこっちが深読みしてしまう場合。まあ、それが嵩じてより良い物が見ればそれに越した事はない訳である。

が、実はそれを意図して書いた人間は、とんでもない人間だ。忍者である。
空気の様に気が付かず通り過ぎるが、何時の間にか影響を与えている。

そう言う人間は最も怖い。何故なら、その詩を見た時点で、何時何分に自動車が通り、クラクションを鳴らした音にドキッとする様な心理状況に読んだ本人も気付かぬまま、追い込んでいる、と言った事も可能であろうからだ。

下手すれば、そう言った詩に、死へと1秒早く追いやられているのかも知れない。
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