連座 萬草庵 弐軒目[332]
2008 03/06 21:57
右肩良久
春風邪に咳いて夜空に裂けめの眼
春の風邪に身を捩るようにして咳き込むと、咳の度に夜空に裂け目が生じ、それがぱっくりと開いたと思ったら金色の瞳がぎょろりと飛び出してこちらを睨む。止まらない咳だから仕方がないが、月の数がこれ以上増えたらうなされて絶対に眠れない。空の傷口は一つでいい。月は一つでいいのだ。
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