浄土の鳥
るるりら



わたくしが地上に降りようとしていたとき
まっすぐに地をめざしているとき
宇宙の先にある青い星を目指すことは
それは まるで 円錐の底から円錐の先を 目指すようでございました
空間は細らみ
星々が わたくしの落下しようとする虚空の周りをとりまきつつ
めまぐるしく 回っていたのでございます


目指す青い星の大気に突入し
音速を越え様といたしましたとき
わたしの周りに虹色の波紋をともなった壁が顕れまして
その瞬間 私の羽根が花になったのでございます

もはや
永遠の命など ございませんし
もはや
妙なる調べの声も うしないました
ただ
わたしの香は わたしの生まれの純粋さをとどめ
人々は百合のようだと 申しました

人の与えてくれる水を飲み
人とともにある華を 愛でて
わたしは 短い一生を終えるために 降りてきたのでございます


携帯写真+詩 浄土の鳥 Copyright るるりら 2012-10-17 09:48:02
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