恋しくて
石瀬琳々

恋しくて雨のソーダ水飲み干したはじける泡よ恋しくてまだ


ものがたり、は続いている泣きながら夜そして昼あなたの時間


たわいなく戯れ過ぎる風としてもふりむかないで首筋にただ


目の奥を覗くよろこび楽園はふいにほほえむ見つめ返して


僕たちは見知らぬ言語さびしくて泣いて笑ってまたくちずさむ


いつかいつか、胸の谷間で啼く小鳥いつか遠くへ飛ぶ合言葉


海を聞くそと頬寄せて君を聴く胸に満ちては交差する波


悩ましく驟雨が去ったあとの空虹を探して星をみつけて


風すこし明るいひなたまどろんで夢の中まで恋しいひとり




短歌 恋しくて Copyright 石瀬琳々 2011-09-07 13:44:44
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
薊道