魚のために
椅子をつくる
いつか
座れる日のために
背もたれのあたりを通過する
ふと、足りないものと
足りすぎているものとが
少しずつある
雨に濡れた生家が
生乾きの ....
金魚がプカリ
逆さに浮いていましたので
もうだめだと思って
そっと掬って森の木の下
深く深く埋めてあげましたら
むくむくむと水が湧いて
あっという間に水の中
海のようで沈んでいるようで
....
「好き」という気持ちはまだ変わりません。
でも、この気持ちは胸の奥にそっと隠しておくことにします。
あなたを想って流し続けた何リットルもの涙をあなたは知りません。
あなたを想 ....
電気冷蔵庫が普及し始めた頃
僕たちの生活はひもじさと同居していた
だから 冷蔵庫の中には
いつ見ても細長いノンスメル(脱臭剤)の箱と
小鉢に入った沢庵だけが入っていた
おっと忘れてはいけない ....
翡翠のみずうみに、溺れてしまいたい。
声が涸れるほど乱暴に、優しい歌だけを歌った。
書簡を往復しながら、
何故暁光は目にしみるのかと問う。
つぶやきには誰にも答えてほしくなかった。
....
喉の奥に良からぬ話題が引っ掛かっている
だから、一昨日くらいから喉が痛い
唾を飲み込もうとしてもうまくいかない
段々と不満が頭の中で熱を持ち始めている
もうすぐ風邪でもひくのだろうか
今、と ....
ゆっさ ゆっさと
生の大気が揺すられている
気体の伸びきった胸が大きなあくびをして
寝息を聞いているのは
空はシエスタ
風は動く
胸が開く
雲の足跡を追いながら
南中の太陽 ....
指のはざまの双つの水
そら抄い空すくい
小さな渦に満ちる水
音がほつれ ほどけゆく
こぼれ たどり
道になる
毛羽だつ古い衣の袖を
水や鏡にそよがせて ....
目を開けたときには
もう夢の中
あなたの考えていることはすべてわかる
あなたはわたしと離れられない
でしょ
「仕方ないね」
ちょっと笑ってみせてよ
「これでいいんでしょ」
そうね
....
それは
見覚えのある目
はっきりとは覚えておらず
覚えておけるはずもなく
覚えておいては
いけない
気もする
或いはそれは
鳴りやまない声
欲しがるように
さげ ....
中々に追いつけない澄まし顔
両手に掴み損ねたすみれ色
最後の言葉は言葉にならず
明日に代わる
またねとかバイバイ
とか
そんな言葉を残して
呼吸を止められるのは3分
そこから先は弛 ....
絵を描くとき
どんな材料で
どんな描き方で
何の絵を描きますか?
色鉛筆で日溜まりの絵
水彩絵の具で雨模様
クレヨンで公園で遊ぶ子供たち
油絵の具で白い壁とテーブルとひま ....
時計を買おうということで
愛人とふたり
時計店めぐりをしている
ロレックスはアニキに貰うことに
なっているからやめた
バーバリーは俺の手首を巻き取る
サイズがないか ....
くやし
くるおし
わがこいは
いつでも
はたんの
みちたどり
{引用=ばたん――
ドアがしまるような
収穫の音がして、巻きあがる
走り去ったランナーの
一陣の風
よみがえる
まなざしの白さ、
青い息
ゆらぐ光彩に
ぼっ
と一点とどまる
....
幾重にも連なった言の葉-pain- 災の種と
誰かの唇が語る 悪夢も白昼夢の内也
終焉を待つ民に幸は在らず 背徳の華
水を待たずして咲いては 狂う声に
恨む的も 最早 誰か何か判らん ....
目を開けても
何もかわらない。
口をあけても
なにも出てこない
朝が来る
光につつまれた
心を開ける
見えない光
本当は
なにがかわるんだろう
雲が太陽にやかれて
もしそうにしている
我の美は完成したか
逞しい声を持つあなたの
輪郭の確かな言葉
私のか細い声も存在も
綿毛の如く吹きとばし
私の頼りは土の温もりだけとなった
私に備わっていないものを
自然に身に付けているあなたを
私は心 ....
去年の朝の
球根が
臓器のように
どしんどしん、と
土の表皮で呼吸した
高く鳴る
拍動に
ためらう闇が
蒼く余韻し
彼の路を隠しゆく
慣れぬ夜を呼吸して
水路を拓き
彼 ....
人肌が
恋しくて
輪郭がなくなるくらい
とろけて
‥満たされた。
ふいにかすめる不安混じりの溜め息
....
伝えたいという気持ち
これに嘘をつく必要があるだろうか
春にまいた種が
いつのまにかもう
つぼみをつけていたことに
気づいていなかった
「先生と会えるのは今日が最後なんだよ」と
ひとりの生徒が言ってきた
本当は
知っていた
....
――すべて、断片。断片・・・・
・・・深海へ。本当は降りてないし今までもなかった気がする
いまは、ふわっと浮いてる感じ
かるくなったりおもくなったりそのくりかえし
....
ギター弾きはラクダを連れて
砂漠を歩く
荒野を歩く
ジプシー
シンドローム
ライラック
金色のライオン
民は息絶え
民は言う
お前の何処に
真理がある
ギター弾きは弾く
....
{引用=
あのこは
おいしいとこだけ
奪ったね
ドーナツの
半分かかった
チョコレート
みたいな感じさ
ぼくが好きだって
知ってての
ことだったんだろうか
なあんて
....
枯れた葉っぱと
緑の葉っぱ
白い蝶が
おぼつかなげに
境界線をひいていく
繰り返されるふらい始末 塗り替えられる白き本樹
微笑みが並べられ挟まれ
うう悔やしまう満面の薔薇 突き破り生え抜き取り溢されぬ
やはり犬が白き国の歯ね
あなたにとって生きる事が
誰か ....
ゆれる
ねんだいがゆれてる
かこたちが
こおるこおり
ぐらすにひとつ
とけてゆらゆら
しずむまで
ひみつ
わすれたふりして
レディオから
あの日もたしか
げつようび
....
雲のない、風のない、
夕暮れの山の静かな尾根に、
連れ合いをなくした龍が、
孤独な炎をあげる。
ぼんやりとけむる色彩は、
何色と定めることもできず、
ひらりひらりと空に拡散し、
おぼ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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