空に伸びる
まっすぐに、高く刺しつらぬくように
あんたのとがった先で、身動きをやめた
その瞼を閉じたすがたが追うのは
玲瓏なさやかな風、そして
ささやく色づき始めた秋の街
ザワと色をな ....
夕焼けに染まる溜息と
ただ、虚しく哀しく伸びる影
汗を滲ませて夢を見ていた
狂い出す寸前のような空
踊る姿を霞んだ夢のような光で
届きはしない
だから全ては美しいまま消えていける
....
小さなことを愛せたら
小さなものを愛せたら
もっと世界はきれいに廻るだろうか
いや、
大きなものも
小さなものも
ほんとは天秤にかけたらつりあってし ....
わたしたちの氷は寒いところでは{ルビ鉄=くろがね}となり、暑いところでは樹木となった。すんと
も言わないがらくたのような意志を、迷い込んだ空洞にひとつずつ、植樹していった。
幹のいちばん深いと ....
空の意図を
誤って手に入れた
微動せず色を織る
超えるとはそういうことか
静心なく
手繰って往けば
いつかは千切れるだろう
ああ、試すでもなく
ああ、赦すでもなく
....
花屋の店先で
鉢植えのコスモス
どっさり、こんもり寄り添いあって
何をか囁き交わしてる
耳を澄ませてみたところ
コスモスたちこう申しております
サインコスコスサイン
サインコスコスサ ....
何もかもは
あるように 俺はあんたが好きなのだ
失ってしまえばいい 声もなく
言葉は 君を失ってしまった
心や 手にするだろう
残るものが
僕を 消されてしまえば
発するように 赤を ....
パンドラの蓋がずれた
安物の蝶番のせいだ
イライラしていたせいで
乱暴に扱った
最初は煙
嫌なニオイがする
煙というものは蓋を閉めても
漏れてくるからね
も一度蓋を開けて
きちんと閉 ....
木曜日の午後に神様が降りてきた。
たぶん神様は姿を消したつもりなんだろうけど、気配は残ってしまっていた、
その気配というのは、疲労感が煙の様に充満していた、
世界中の問題を抱えて、その問題を宇宙 ....
マリア、
人生はまるでジェットコースターみたいだ
後悔とか悲しみをキャンディにしたらきっと甘くて爽やかなカルピス味
舐めたらスキップしたくなるでしょ
青い傘さして
雨の中
あの ....
君の純情、僕が買うよ
さあ手をとっていこう
太陽と絶望の国へ
私が17才だったころ
深夜よく天使の顔した悪魔が窓際にやってきて話をしたっけ
あれもしかしたら堕天使だったのかな
天界でし ....
うつ伏せでいると
とても静かで
うつ伏せでいると
とても安らぎます
立っている時の
喧騒や幻覚からも
逃れられ、一時幸せです
うつ伏せでいると
守られている気がします
うつ伏 ....
自暴自棄でつり革を握り
満身創痍に揺れていた
伏せ目がちで他人の
足元ばかりが気になっては
給料明細を無くしてしまってた
ポケットのジャラ銭を鳴らして
街角に立つ托鉢姿の
老人を ....
日陰の会社の片隅で
暗い私の机の下で
陰惨なカビの生えた気持ちのわるい
白いオウムが喋り出す
粟のカスがついた嘴で
私の脛毛を執拗に抜きながら
幽霊のようにオウムが ....
ホットサンドを握った指で擦る
胡椒の煙が気持ちいい
愛されてるピカピカのテーブル
夜風の頭上
月はちょっと遠いけど
うとうとしちゃって
楽しい
ねえアリス、私わかった気付いたんだ神様はいないって
昨日の朝ヘッドフォンで耳をふさいで散歩して太陽の光を見ていたら、気付いたんだ
それでね、私がなぜこんな地上の道を歩いているかと言うと、それは愚か ....
わたしたち、結婚しました
うす桃色の踊るような文字と
着物姿で微笑みあう男女の写真
はがきを持つ指の腹から
じわりじわりとあったかさが
組織の中まで浸透してくる
温度の正体をはっき ....
ま、なんていうか
焦っていろいろやっても
うまくいかないから
今日はわざと遅刻なんかしてみるんだ
ペダルこぐスピード4分の3にしたら
違う高校の女子が話す声とか
信号行き交う車の音とか ....
誠実な優しい彼です
わたしの手を握り/髪を柔らかく撫で
せいじつなやさしいかれです
(こどもはふたりほしいな)
一週間前に付き合い始めたばかりでわたしたちはまだ十九歳
年齢に逃げるわ ....
張り詰めていた
こわばっていた
一本の糸の上を
緊張して歩いた
一歩 一歩
まちがえないようにして
まっすぐであった
でも疲れてた
疲れてた
顔を上げたら
落 ....
髪型を変えました
心も変えられるかな
新しい服を着ています
あなたの知らないわたし
住む街を変えました
きのう仔犬をみつけました
ベランダにからまる蔓の緑を
....
夜の海ほど怖いものはない
宵闇の奥のさらにその奥から
打ち寄せる波の音色は
私の心を光の届かぬ深海にまで
攫ってしまいそうで
ひとつの物語が今日
終わってしまった
私の支 ....
さやかで悲しい朝なのに
夏の匂いをかぎました
感謝でむせぶ朝なのに
黒いこころもありました
ひとのこころはどうも遠くて
応酬ばかりのありさまでした
さやかで ....
・
エスカレーターに乗れば段を踏み外す
券売機のタッチ・パネルはいくら押しても反応しない
施錠をすれば鍵を無くす
自動ドアには挟まれる
わたしは
文明というものに適応するように
生まれつ ....
なぜ君に関係したものにしたんだろう
だから忘れられない
明け方はうっすら寒くて
冬はたしかに存在することに震える
割った石を硬い石で叩いて
形を整えて積みあげる
石と石との間には剃刀も通らない
石の壁は数百年を経ても崩れないで
空に近く雲をしたがえて
城塞と都市とを保っている
毎朝通勤電車の始発駅 ....
雲を切る
つめたい雨が
ひそやかに やってくる
街は、もう秋でした
はだに まとわりつくようなとおり雨に
好きなように ぬれてあるけば
どんな、誰が住んでいようと
わらいごえに ....
追憶の彼方に
太陽の浮かばぬ街で
金属音を鳴り響かせる
滅亡の刻は近い
悠久の地の果てへ
届かぬ風船を放つ
祭壇に飾った調べ
手探りで見極めた
真実という名の諧謔
....
当たり前の様に
季節は過ぎ去り
当たり前の様に
君は傍らに居て
真実は虚無だとか
運命は迷信だとか
そんな僕を好きな君が好き
当たり前の毎日が
失われない様に
当たり ....
さぁ謳い上げろ
拳を掲げて
命の咆哮を
曇り無き眼で見据えろ
鋼の心身で携えろ
口ずさんだなら邂逅
瞳を上げて進め
ほら、手の温もりが伝わるかい?
ほら、高鳴る心音が聴こえ ....
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