[330]高橋良幸[2015 12/16 08:20]☆
いる)。「私」は妻の様子がおかしい(妻も穴を開けようとしている)のはわかっている(それは1連目に比べ描写が細かくなったシャベルからもよみとれる)。でも「私」は手軽に(「私」が掘る側の)穴を表出させようとしている。ここに穴の深刻さと手軽さが表裏一体で描かれていると思います。
加害者側の日常の中で、「穴」は希薄に思えるほど私たちから無視されている。また、いまの私たちの行いと、過去の私たちの行いの間には私たちが思っているほど一貫性がない。この詩の形はそれらと相似であり、日常にいる読者に「穴」を明示せずにただ読ませ、分裂した「私」が最終連の軽さで嫌な感じを読者に覚えさせる。
潜在意識に訴える薄気味
[次のページ]
前
次
戻る
編
削