作者からのコメント
森田さん、コメント感謝します。

  民法にも「錯誤」ってあるくらいなので、まあ、ムリもない勘違いというのは仕方ないわけですが、悪質な詐欺師でなくても、普通の営業マンとか政治家なんかも、故意に平気でその辺りの人の錯覚を巧みに利用して商売してる気配が濃厚な輩もいますね笑。
  この作品では、むしろ逆に、良心的に合意してるつもりでも、ズレてしまうという人間のもつ哀しさに焦点を当ててみました。例えば、建築士が精密に図面を書いて渡し、施工者はその通りに建てたつもりでも、設計士が思い描いていた建物とは違うものが建ってしまうのはよくありがち、なことです。同じことが、文章の作者と読者の間でも起こるでしょう。そこで問題になるのは、表現力と理解力の質という事だろうと思います。
  <相手も自分と同じだろう>という認識の甘えが、そもそも錯覚・錯誤なので、そこから当然、齟齬が破裂してくるわけですから、はじめから、<相手と自分は違うのだ>と当たり前の事を認識していれば、だいぶ、コミュニケーションを巡る現代の多くの問題(つまり、表現力と理解力のこと)は、自ずと解消されてくるんじゃないか、なと。そんな事をチラッと考えてみた詩です。
  以前、飼ってた猫が、私の母の足の周りを鳴きながらやたらと纏わりついていて、母に「何よ、煩いわね、ジャレないで」と怒られてたんですが、「何か必死に緊急事態を知らせているよ」と私が言うと、「あ、ヤカンだ!」と叫んで、お勝手に飛んでいきました。ヤカンが沸騰したままで危険なのを必死で教えていたわけです。
  詐欺に引っかるヒトは、この猫のことは叱るヒトなのだろうと思います。相手の言葉に込められた真意を悟れないわけで、曲解して憚らない、それは私から観ると非常にフシギです。
 
---2025/06/27 01:44追記---

読んで頂いた方 各位へ

◆私の作品を読んでいただき感謝申し上げます。
読んで頂いた、それぞれの方には、私の方もその方の作品を読みに訪れて、そちらへの感想やコメントを添えて、お礼の言葉を伝えさせて頂くようにしています。




戻る
編集