『9月11日の線香花火』/川村 透
 
ざわりの奥に消えてゆく緋色の玉になってしまいたいと
帯が子宮に食い込むくらい、小さくかがみこむ
帯が子宮に食い込むくらい小さく小さくかがみこむ
 
赤い線香花火、緋色の灯火、その最後のひとひらが地上から消える時、
蛇の裔たちは火薬のゆりかごの中
草むらのしとね、二度と目覚めない甘い眠りに抱きしめられる
 
--ほと、
と赤い玉が草むらに降りた
 
少女が男の横顔にキスを、して
蛇のような遊びがまた、始まる。

 

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