笑顔のままに/ajisai
を持った死神の少年だった
死神は母親に近づくと泣きそうな顔で
「ごめんなさい
あなたを連れて行かなければなりません」
と言って、女性に向かって頭を下げた
子供たちも死神の姿が見えているのか
脅えた表情を浮かべている
女性は優しく微笑んで死神にこう答えた
「いいのよ、天寿を全うしたのでしょう
あなたのせいじゃないわ
この子達はきっと元気に逞しく
生きていってくれる
私は主人と一緒にこの子達を空から
ずっと見守っていけるのでしょう
それって十分幸せなことだわ」
女性は優しく素直で強い目をしていた
母親の言葉を聞くと
一番年上の少年が言った
「お母さんを
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