4.みっつ数えて/朽木 裕
生きる意味を数えてみる。
…君のことしか浮かばない。
君がこの世界に生きているから生きていける。
君をしあわせにする、と誓う。
それが出来るのはこの世でただひとりしかいない。
そう、私。
「…死なないよ、約束する」
「絶対、だよ」
「置いてはいかない。長生きしたいもの、君となら」
しあわせにする、と確約は出来なくとも
不幸せにはしない。しないよ。
私を愛したことは決して後悔させないから。
ひとつ ふたつ みっつ
キスを交わして愛を知る。
ひとつ ふたつ みっつ数えて
恋をする僕ら。
君が呼んでくれる私の名前を、ゆっくりゆっくり噛みしめる。
ブラック・タンみたいな空に月の沈む夜。
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