小詩集【肯定ペンギンの消えたコロニー】/千波 一也
 
したのうたはひとつの墓標

緑のフレアに
ただただ、夕日はサイレント




四、ペンギン・パレード


きみが
悪意を込めたとしても
あのひとは微笑んでいたから

受け取るすべに長けなきゃね


小さいけれど
ふたつも貰えた手だからね

だれかが
侮蔑を込めたとしても
包装はゆっくりほどきます
それが贈り
ひらかれてゆく、ふたり


 よちよち歩きのペンギンさん

 そこは大地ですか
 それとも

 いいえ、
 尋ねるということは
 ひとつの答を確かめたいからで
 わたしはつまり
 空から落ち
 た


パレードは
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