近代詩再読 八木重吉/岡部淳太郎
 

ないてゐるのと

まりが
ぽく ぽく ぽく ぽくつかれてゐるのと

火がもえてるのと
川がながれてるのと
木がはえてるのと
あんまりちがわないと おもふよ

(「○(あかんぼが/あん あん)」全行)


ぽくぽく
ぽくぽく
まりを ついてると
にがい にがい いままでのことが
ぽくぽく
ぽくぽく
むすびめが ほぐされて
花がさいたようにみえてくる

(「○(ぽくぽく/ぽくぽく/まりをついてると)」全行)


まわるものは
みんな いいのかな
こまも まわるし
まりも まわるし

(「○(まわるものは)全行」)


くう
らん
[次のページ]
  グループ"近代詩再読"
   Point(14)