ノート(ひとり うつわ)/木立 悟
 



音をつまみ
降りてくる
曇の端に
奏でられるとき


わたしのなかの
水であるもの
いつわりをとく
筆を洗う


ふりつもる底
浅い水紋
沈みひろがる
音を見つめる



歌いました
到きました
刻みました
遊びでした



縦に張られた影の弦
通り抜けては迷う風
落ちては昇る羽のきざはし
誰にも触れぬ眠りを描く


水の内と外に散らばり
かけらに響く響きのかけら
分かれ分かれ分かれつづけて
器に沈む色を揺らす












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