ノート(はな)/
木立 悟
空き地がなくなり
見えない花火
曇り空の下
音だけの花火
大きな建物のまわりの草は
花も花火も見たことがない
自分のからだの奥の奥に
花があるとは知るよしもない
暗がりをゆく二本足の生きもの
手からこぼれ落ちるかたちが何であるかを
土は知らない
道は知らない
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