ノート(48Y.4・5)/
木立 悟
半分になった鋏が
陽の光を浴びていた
半分になった鋏を
誰がどう使うのか
半分になった鋏を
見つめていたらそれはどうやら
半分になった鋏では
ないようだった
半分になった鋏のようなものが
陽の光を浴びていた
半分になった鋏のようなものは
嘲笑うように消えていった
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