赫い意図に絡まる鯨と、/士狼(銀)
ロゼ色の粉雪が
空の綻びから滑り落ちて
西の空が焼ける
煤が誘(いざな)き、招いた夜の帳が
ふと 頬にかかり
謎を銜えた豹の吐息が 、右目を掠める
指先で散る、線香花火
黒い海を前に 冬の鯨が吠える声、声 泪
千切れていく蒼い雲は
幾度も絡まり、風に攫われる
恋人の爪先のように 器用な悪戯
影を落とす淡雪
冷えた掌で崩れ落ちた、色
薄く開いた唇に注ぐ
甘く儚い 、苺ワイン
繕うための糸は
切り落とした赤い、紅い糸で いかが
2005/12/24 eve.
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