ぺんぎんの浪費癖/りゅうのあくび
 

服も鞄も靴もいらない
ぺんぎんの仲間たちも
服も鞄も靴もさほどいらない
ぺんぎんは
翼のない寂しさを
埋めるために
今夜もまたインターネットと
にらめっこを始める

海のなかにある
アパレルのブティックで
働こうとした夢は
南極にある氷山のように
暑い夏に溶けたり
寒い冬に凍りついたりを
繰り返している

反省を忘れたぺんぎんは
誰もが寝静まる真夜中に
鏡と一緒にファッションショーを
そおっとする習慣があって
婚約しているぺんぎんに
助けを求める
見張りをお願いしたつもりで
こっそりと隠れながら
再び買物をしてしまう
翼で羽ばたくまねをしながら

   グループ"彼女に捧げる愛と感謝の詩集"
   Point(17)