笛吹き少年の行くえ(5)/Giton
 

 
 雪ふれば杉あたらしく呼吸す
 雪霽るれば杉あたらしく呼吸す
 
   ※
 
 雪すこしふり
 杉にそゞぐ飴いろの日光
 なほ雪もよひ 白日輪
 からすさわぐ
 

↑このように、ごく短い自由詩の連作のようなもので、たくさんの短唱が、ゆるやかにつながっている感じです。草稿紙片の連続は推定なので、紙片と紙片の境目に「〔?…〕」を記入しました。

書かれている文体も、「なやみは/正し/なやみは/白く見ゆ。」と、文語だったり、「かぼそい蔓。」と、口語に近づいたり、また文語に戻ったりと、一貫しません。(注:この例を見ても、詩人に対して、文法を武器に闘いを挑んだり、文語
[次のページ]
   グループ"宮沢賢治詩の分析と鑑賞"
   Point(0)