運動へのコラージュ/草野春心
する》を辿り、《成長する》を
遡行し、その暫定的な果実はひとつの
祷りである。叙述するわたしの視線は、
かなしみという形の周囲を、亡霊のご
とくさまよっている。
*
「渚」
渚から
うまれた
いくつもの囁きが
連なりをかたちづくるように
きみを
愛していたし
望んでいたし
夢見ていたし
けれども
だからこそ
仕方ないことだね
逝ってしまうということは
波動がふいに止まり
ふたたび
動きはじめるということは
連なりへ奪われてゆくように
ぼくたちの囁きが
卵まで還り
渚へ
「中空」
空から /水平で
懸命に /慈愛をこめて
うたわれたものたちを /あやめられたものたちを
そっとはこぶように /さかのぼるように
この水平を見おろすのだ/この空を見あげるのだ
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