運動へのコラージュ/草野春心
 
する》を辿り、《成長する》を
  遡行し、その暫定的な果実はひとつの
  祷りである。叙述するわたしの視線は、
  かなしみという形の周囲を、亡霊のご
  とくさまよっている。

  *

 「渚」

  渚から
  うまれた
  いくつもの囁きが
  連なりをかたちづくるように
  きみを
  愛していたし
  望んでいたし
  夢見ていたし
  けれども
  だからこそ
  仕方ないことだね
  逝ってしまうということは
  波動がふいに止まり
  ふたたび
  動きはじめるということは
  連なりへ奪われてゆくように
  ぼくたちの囁きが
  卵まで還り
  渚へ

 「中空」

  空から        /水平で
  懸命に        /慈愛をこめて
  うたわれたものたちを /あやめられたものたちを
  そっとはこぶように  /さかのぼるように
  この水平を見おろすのだ/この空を見あげるのだ




   グループ"コラージュ×4!"
   Point(3)