言葉へのコラージュ/草野春心
「凸凹の恋人」
恋人よ、
君を
ボール紙から切り取った日
余計な部分がいっぱいついちゃった
だから
凸凹の恋人よ、
君の髪の香りは
すこしだけ、空の匂い
君の手はすこしだけ
夏の日の若葉
「芽吹き」
なんだか解らない
すべすべした
丸いものを庭に植える
一つだけ、丁寧に
柔らかな土に
ぎゅっとしまいこむ
なんだか解らないけれど
いつかあなたがそれをくれたのだ
あなたの唇のように優しい
真っ赤なシルクの袋に包んで
それから僕は
椅子に座って芽吹きを待つ
何時間も
何ヶ月も
夏は暑く
秋は涼しいこの庭で
昔の夢を思い出す
幾つか歌も歌う
老人になったような気分だ
冬は寒く
春は温かい
あなたと出会いたい
もう一度あなたと
積もるほど話がしたい
どの庭であれ、
それが芽吹くところで
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