未明、みえないまま/渡邉建志
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なんというやわらかい着地なんだろう。すべての文が溶け合って、薄明のなかで、一つの温度で。たとえば文は冷たく過去形に終わることがなくて事実が冷たく提出されないし、形容詞が主張や冷たい判断もしない。ずっとつらなって最後まで詩が心地よく流れていて、「良かった」はたぶん、感想として、くちぶりとしてあるし、やっぱり、「言うよ」には、とめどなく、言ってほしいなと思う。それしか聞こえなくていいとさえ思う。共鳴させられるのは、詩人にとって、たぶん、たおやかに着地することが、きっと切実な問題だからじゃないかと思う。切実さ、って、よくわからないけれど。
「篝火」
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