超真理男兄弟[場面1−2]/国産和風モモンガ
 
っぱり足音がひとつ多いしかもだんだんずれて来ている。

 ぴちょ、ぴちょん。ぴちょ、ぴちょん。

 認めたくはないがどこかにいる誰かは自分がどこかにいることを誰かつまり自分に知らせようとわざと歩き方をずらしているんだ。

 ぴちょ、ぴちょん。ぴちょ、ぴちょん。

 試しに立ち止まる。人間の性だ。うわぁ、ってなって足元バシャバシャ言わせながら叫びながら地上につながる階段へ走るのはまだ早い。というかそんなことするのも怖い。

 足音が止む。

 自分の足が増えたのではないかと思って足元を、ヘッドライトで照らせるように下を向くと、踝まで水に浸かった見慣れた自分の長靴だ。枯れ葉や煙
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