黒い神様と黒頭巾ちゃん/チアーヌ
 
、もう一度わたしを抱いてください。わたしには、黒い神様しかいないのです」
黒い神様は言いました。
「そうか。わかったよ。それじゃあ僕は、たまに黒頭巾ちゃんの近くに来ることにしよう。いつも違う姿をしているかもしれないけれど、きっと黒頭巾ちゃんはすぐに僕だと気がつくだろう」
そういいいながら、黒い神様は、黒頭巾ちゃんの髪の毛を撫で、ゆっくりと煙草に火をつけました。
黒頭巾ちゃんは、だから時々、黒い神様と会うことができます。黒い神様は遠くにいたり、近くにいたり、宅急便を持ってきてくれたり、タクシーを運転していたり、一緒の電車に乗り合わせたりします。黒頭巾ちゃんが合図をすると、黒い神様はすぐに気がついてくれるのです。黒頭巾ちゃんは黒い神様ともう何度抱き合ったことでしょう。黒頭巾ちゃんは幸せなんかいりません。でも、黒い神様は、幸せにしてくれるというのです。まだ1000人には届きません。黒頭巾ちゃんを抱いてくれる男性が現れてくれるうちに、約束が果たせるのかどうか、黒頭巾ちゃんは自信がありません。
しかし、聖なる言葉は、絶対なのです。




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