漂泊者に想うこと/beebee
は有らざるべし!
この詩を読んだ時、自分は詩に取り憑かれたんだと思います。
この憂い顔で鉄道線路の横に続く柵の後ろを彷徨いつづけている者こそ、自分だと思いました。ちょうど大学4年になって早々と就職が決まった自分は、試験前に読書に逃げる受験生のように、実世界に出て働くより、なんとかもう少し学生生活ができないものかと考えていました。自分に自信が無かった私は、いったい自分に何ができるのか、そう考えながらどっちつかずで不安定な時期を過ごしていたのです。
石もて蛇を殺すごとく、一つの輪廻を断絶して、意志なき寂寥を踏み切れと言いながら、この詩の主人公は自己が求める真理を追究するに忠実な故
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