真 鯉/
beebee
らないと、
ぼくはカエルになったような気がする。
ゲエゲエゲエゲ
ゲエゲエゲエゲ
大きく開けた口に
お湯が一杯入る。
眼を白黒させて、
ますます大鯉になる。
手足をいっぱいに伸ばし、
タイルの上をヌルヌル
転がり回り、
湯船へどぶうん。
ぼくは大きな真鯉だ。
楽しいお風呂場の時間、
真夜中の寮。
ぼくは銀行員。
大きなぐうたら魚。
大きなお腹を見せて
夜に泳ぐ、
ぼくは真鯉だ。
前
次
グループ"純情詩集"
編
削
Point
(1)