深青/
松本 涼
沖の青が濃くなる辺りで
ポカリと浮かんだ独り言が
夜更けの時計を探している
月は夢と同位置で微笑みながら
人知れず密かな指切りを交わす
波のない水面に映る
過去と瞬間(いま)のさざなみ
堅く優しく閉じ込めた囁きが
海の底に沈んでいく午前
深く深く
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