【道化】/穢土
 
大瀑布に転げ落ち、息つく暇もない速度で泳がされ、
意志は僅かな空気で安堵を得る。そんな時代がやってきたようだ。
火を点けられた尻をまくる術もなく、右往左往の猿が高見から飛び降り、
蓋のない大川へ身投げする。暫しの安寧も次なる戦いへの休息で、
舳先にしがみつきながら漂うチリチリ舞い舞いの猿が、
『ウッキー』と泣いた日にゃあ、
誰も同情せんし進むことしか許されない。
楽器を手に取り吹いてみても、誰も耳を傾けず。
自身の悦楽は痰壺に吐き溜められ、腐臭が身体を蝕む。

この国の社会システムはジャンキーに委ねられ、
物申す口もないまま荒海に漕ぎ出された。
太古からこの国は自ら変化しよ
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