きみ (連詩) (2/2)/アンテ
いていて
そっとてをのばすと
あたたかいゆびがふれる
もしもし
かみこっぷをにぎりしめて
ことばをまつ
あなたのことば
あさいねむりのなか
あなたのささやくことばが
わたしのりんかくをこわすことなく
そっと
なかにはいってきて
てとりあしとり
からだをうごかしてくれる
このまままざりあって
あんなことや
こんなことを
ずっときょうゆうしていたいのに
ちらばっていたこころが
すこしずつもどってきて
これもちがう
あれもちがうと
はらをたてながら
あなたのことばをかたづけてしまう
それでも
にぎりしめてはなさなかった
ほんのひとこと
ふたことが
ながいあいだにつみかさなって
わたしはいまや
あなたのことばなしでは
いきていけない
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