アレン・ギンズバークとクリスマス、そして僕のこと/芳賀梨花子
言ってはいけないことに
なりつつある言葉があって
もしくは
彼らには意味を理解できない言葉であると
言いなおしたほうがいいかもしれないが
その言葉について
僕は、毎日、考えている、と
序文として書き記しておこう
君が詩を書いていた頃
何人もの神様が生まれたらしいと
この本で読んだけれど
申し訳ないが、僕は、この世を生きていくよ
もしも、この暖かくて素敵な言葉を
手のひらで丸めて飲み込まなくてはいけなくなるのなら
その前に、僕は君の詩集のための栞になるさ
そう決意して僕は席をたった
今日は定時に退社しようと心に決めていたから
僕のオフィスは27階
ちなみに
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