伊勢丹で朝食を/虹村 凌
雲隠れ
空白
退屈な仕事の合間に
君からの電子手紙
遠くから
我が侭なお前にイカれてた
遠くからのレタァ
レタァ
お前の匂いのレタァ
読めない滲んで
涙
悪い予感が夜空に輝く
本当さ
確かに見えたんだ
星なんかじゃない
悪い予感が降ってくる前に
親戚を殺して香典を集めよう
その金で遊ぼう
昭和81年のボニー&クライド
苦労なんてないさ
旅に出よう
明日は無くても
苦労なんてないさ
歌を歌うから
歌うのはいつも下らないラブソング
安っぽいラブソング
何処かで聞いたような
そんなラブソング
そう君が好き
それ以外の言葉は知らないし
それ以外の言葉は言えない
ブルーな時にお前の名前を呟く
どうなる訳でも無い
それでも呟く
涙ぐむだけ
何時までたっても上手く言えない
こんな調子
そんなラブソング
何時までたってもこんな調子
何も言わないでいたら窒息シちまう
させられるよちはマシだけど
馬鹿のフリして道化て歌舞いて
生き延びる
新宿ハイキック
伊勢丹で一緒に朝食を
戻る 編 削 Point(6)