雪よ 舞え/
松本 卓也
り裂いた空っ風
形作った結晶に息吹を与えて
天を舞う風になれ
すれ違うだけが生き方じゃない
存在を賭けるほどの意味を見出せなくとも
ただ涙で雲を覆うよりは
叫びを乗せた方が遠くに届くから
飛ばして 舞え 雪よ
遠く 近く 目の前で 彼方で
心に溶けて 熱を冷やし
雲に乗り 風を泳ぎ
響かせて 声を
刻んで 言葉を
後悔と 嘆きを
喜びも 悲しみも
ただ ただ
舞え 雪よ
中空を辿って
心に降り積もれ
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