黄色いぼうしで守るもの (essay)/とうどうせいら
ようになった。
その意味が理解できるようになることが、嘆かわしい世の中だと、
言う人もいるけど、でも、必要なのは嘆くことよりも、
今そこにある子供の命に油断しないことだ。と思った。
ちょっと悲しいけど。
大人たちに、教えてくれてありがとう。ごめんなさい。
忘れないように忘れないように。生きなきゃだめでした。
身を引き締めて、世界を守らねば。
私たちは、まだ死んでいないんだ。生きているんだ。
まだ命があるんだ。
そのことを伝えるために、ニュースは報道されたんだ。
◇◇◇
師走の冷えた空の下、黄色い花々が、
笑い声をあげながら小さい足でばたばたと駆けて行く。
「学校、終わったあああ」
「早く早く帰って着替えて野球しなくっちゃーっ」
「そうそうコンビニで『チャーシューまん』買って食べなきゃ」
「期間限定なんだ!」
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