観ること/及川三貴
 
雨上がりの花壇で
しな垂れた華の名前を
密やかな微笑で保つ
あなたの目は
揺れる天秤の彼方
雲の晴れてゆく影
映す土を見て 滑らかに
細められ 晴天から
いつか 豪雨になり
土を流す 水を
同時に見ていた
今日が優しく あれば
明日にも襲うだろう
華を折る風に
話する術 あれは
水の中で泳がせた
布が 苛烈に
跡を引く様
戻る   Point(5)